〔問 1〕 規約共用部分及び規約敷地に関する次の記述のうち、区分所有法の規定に よれば、誤っているものはどれか。
1 マンション内に、上層階専用、下層階専用の二基のエレベーターがあり、それぞれが一部共用部分である場合に、その大規模修繕については、区分所有者全員の規約で定め、清掃等の日常の管理や使用方法については、区分所有者全 員の利害に関係しないものとしてそれぞれ上層階、下層階の区分所有者の規約 で定めることができる。
2 一部共用部分に関する事項で区分所有者全員の利害に関係しないものについての区分所有者全員の規約の設定、変更又は廃止は、当該一部共用部分を共用すべき区分所有者の4分の3以上で、かつ、議決権の4分の3以上の賛成を要 する。
3 未利用の規約敷地の一部について、特定の区分所有者に対して特に有利な条件で、かつ、排他的に使用収益をする権利を規約で設定する場合には、その集会の決議に当たり、他の区分所有者全員の承諾を得なければならない。
4 建物が所在する土地の一部が分割により建物が所在する土地以外の土地となったときは、規約に別段の定めがない限り、専有部分との分離処分が禁止される。

解説)
落とし穴:選択肢1の長い文章と、選択肢2の紛らわしい文章
一部共用部分の管理について、区分所有法16条と30条2項を理解していれば正解!
選択肢1.
一部共用部分の管理は、区分所有者全員の利害に関するものは、区分所有者全員の規約で決める。
区分所有者全員の利害に関しないものは、区分所有者全員の規約が定まっていなければ、一部共用部分を共用する区分所有者の規約で定められる。
(区分所有法16条)
区分所有者全員の利害に関するものに大規模修繕があてはまり、
区分所有者全員の利害に関しないものに日常の清掃があてはまるので、
正しい。
選択肢2
一部共用部分の管理は、区分所有者全員の利害に関しないものも、区分所有者全員の規約を定めることができます。
しかし、一部共用部分の区分所有者の意向を無視するわけにはいきません。
そこで、
一部共用部分の区分所有者の4分の1を超える者が反対しないこと
および
一部共用部分の区分所有者の議決権4分の1を超える議決権を有する者が反対しないこと
が満たされてはじめて、区分所有者全員で規約を定められます。(区分所有法第31条第2項)
反対しない=賛成
ではありません。
反対しないのは、棄権も含みます。
正しくない。
ここで正解が決まってしまうので、後は正しいはず。と思って読むことができます。
選択肢3
特定の区分所有者に対して特に有利な条件な規約を設定すると、他の区分所有者と不公平になってしまいます。そこで、他の区分所有者全員の承諾が必要になります。(区分所有法第31条第1項)
特に有利な条件で、かつ、排他的に使用収益をする権利を特定の区分所有者に設定するのは、特に有利な条件な規約にあたりますので、他の区分所有者全員の承諾が必要になります。
正しい。
選択肢4
建物が所在する土地の一部が分割により建物が所在する土地以外の土地は、規約で建物の敷地と定められたものとみなす。(みなし規約敷地)(区分所有法第5条第2項後段、22条1項)
正しいです。
以上のことから、選択肢2が正解になります。