〔問 8〕 マンションにおいて共同の利益に反する行為をした義務違反者に対する措置に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。
1 共同の利益に反する行為の停止の請求、専有部分の使用の禁止の請求、区分所有権の競売の請求及び占有者に対する専有部分の引渡し請求は、いずれも訴 えをもってしなければならない。
2 占有者が共同の利益に反する行為をした場合には、占有者に対して、専有部分の引渡しを請求することはできるが、その行為の停止を請求することはできない。
3 規約に定めがあれば、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会における決議を経ることなく、専有部分の使用の禁止の請求をすることができる。
4 区分所有権の競売の請求が認められた場合に、その判決に基づく競売の申立 ては、その判決が確定した日から6月を経過したときは、することができない。

解説)
落とし穴:義務違反者に対する措置として、行為の停止を求めることは、訴えでなくてもできます。
それに対して、紛らわしいのですが、所有者に対する使用禁止請求及び競売請求と、占有者に対する引き渡し請求は、訴えによらなければなりません。
選択肢1
区分所有法によって、共同の利益に反する行為をやめてと言うのが差し止め請求ですが、訴訟しなくてもできると定められています。
専有部分の使用の禁止の請求、区分所有権の競売の請求及び占有者に対する専有部分の引渡し請求は、訴訟しなくてはなりません。
正しくない。
選択肢2
共同の利益に反する行為の差止請求は、占有者に対しても請求できます。
正しくない。
選択肢3
区分所有法によって、区分所有者に対する専有部分の使用の禁止の請求、区分所有権の競売の請求と、占有者に対する専有部分の引渡し請求は、特別決議の上、訴訟しなければならないと定められています。規約によって、別の定めをすることは許されません。
正しくない。
選択肢4
区分所有法第59条第3項で、その判決に基づく競売の申立ては、その判決が確定した日から6月を経過したときは、することができない。と定められています。
正しい。
以上のことから、正しいのは4なので、選択肢4が正解になります。