〔問 21〕 建築基準法(昭和 25 年法律第 201 号)に関する次の記述のうち、正しい ものはどれか。
1 特定行政庁は、建築基準法令の規定に違反することが明らかな建築工事中の 建築物については、当該建築物の建築主等に対して当該工事の施工の停止を命 じなければならない。
2 幅が 2.5 m の共同住宅の階段で、けあげが 10 cm、かつ、踏面が 25 cm のも のの中間には手すりを設けなければならない。
3 共同住宅の居住のための居室には、採光のための窓その他の開口部を設け、 その採光に有効な部分の面積は、その居住の床面積に対して 10 分の1以上と しなければならない。
4 高さ 31 m を超える共同住宅で、高さ 31 m を超える部分を階段室の用途に供 するものには、非常用の昇降機を設ける必要はない。

解説)
落とし穴:10 cmとか31 mとかの数字が多い建築基準法の知識。数字を覚えないと得点につながりません。忘れない工夫をして覚えたもの勝ちです。
選択肢1
特定行政庁は、施工の停止を命 じなければならないのではなく、特定行政庁には裁量が見認められていて、施工の停止を命じることができます。
長い条文ですが、以下は条文です。違反建築に対して、違反を是正する措置を命じるのは、裁量が認められますが、措置をとる場合には、事前に通知して意見書を提出する機会を与えなければなりません。
建築基準法第9条
特定行政庁は、建築基準法令の規定又はこの法律の規定に基づく許可に付した条件に違反した建築物又は建築物の敷地については、当該建築物の建築主、当該建築物に関する工事の請負人(請負工事の下請人を含む。)若しくは現場管理者又は当該建築物若しくは建築物の敷地の所有者、管理者若しくは占有者に対して、当該工事の施工の停止を命じ、又は、相当の猶予期限を付けて、当該建築物の除却、移転、改築、増築、修繕、模様替、使用禁止、使用制限その他これらの規定又は条件に対する違反を是正するために必要な措置をとることを命ずることができる。
2 特定行政庁は、前項の措置を命じようとする場合においては、あらかじめ、その措置を命じようとする者に対して、その命じようとする措置及びその事由並びに意見書の提出先及び提出期限を記載した通知書を交付して、その措置を命じようとする者又はその代理人に意見書及び自己に有利な証拠を提出する機会を与えなければならない。
正しくない。
選択肢2
幅が 2.5 m の共同住宅の階段ではなく、幅が3mを超える場合に、中間には手すりを設けなければなりません。
正しくない。
選択肢3
採光のために有効な部分の面積は、その居住の床面積に対して 7分の1以上と しなければならないです。
正しくない。
選択肢4
正しい。
高さ31メートルを超える共同住宅は、原則として非常用の昇降機を設けなければなりません。それは消防のはしご車が届かずに、消火活動が難しくなるからです。
そこで、 高さ31メートルを超える 部分が、階段室や昇降機やその他の設備の機械室などで火災がおこりにくかったり、または、消火活動に支障を来さない場合には、例外として 非常用の昇降機を設けなくてもよいとされています。
以上のことから、選択肢4が正解になります。