令和2年マンション管理士試験問題と解説 〔問 24〕

令和2年度(2020年11月実施)過去問解説

〔問 24〕「共同住宅に係る防犯上の留意事項及び防犯に配慮した共同住宅に係る設 計指針について」(最終改正平成 18 年4月 20 日 国住生第 19 号)によれば、新築 住宅建設に係る設計指針に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

1 共用玄関には、玄関扉を設置することが望ましい。また、玄関扉を設置する 場合には、外部から建物内部が見えないようにするとともに、オートロックシ ステムを導入することが望ましい。

2 共用廊下・共用階段の照明設備は、極端な明暗が生じないよう配慮しつつ、 床面において概ね 20 ルクス以上の平均水平面照度を確保することができるも のとする。

3 ゴミ置場は、道路等からの見通しが確保された位置に配置する。また、住棟 と別棟とする場合は、住棟等への延焼のおそれのない位置に配置する。

 4 通路(道路に準ずるものを除く。以下同じ。)は、道路等、共用玄関又は居 室の窓等からの見通しが確保された位置に配置する。また、周囲環境、夜間等 の時間帯による利用状況及び管理体制等を踏まえて、道路等、共用玄関、屋外 駐車場等を結ぶ特定の通路に動線が集中するように配置することが望ましい。

解説)

落とし穴:指針を細かく覚えていなくても、指針の基本原則の、周囲から監視できるように見通しを確保することと、犯罪を企図する者の動きを限定して接近を制御することを思い出せたら、後は想像すれば正解にたどり着けます。

選択肢1

共用玄関には、玄関扉を設置することが望ましいのは、接近を制御するからです。しかし、外部から建物内部が見えないようにすると、周囲から監視ができなくなります。

指針には、玄関扉は、扉の内外を相互に見通せる構造にすることと、オートロックシステムの導入が望ましいと規定されています。

正しくない。

選択肢2

その通りです。

共用廊下・共用階段の照明設備を明るくすることで、 周囲からの監視 が可能になります。

指針では、共用廊下・共用階段の照明設備に、求められる20ルクスは、10m先の人の顔、行動が識別でき、誰であるかが分かる程度の明るさです。

共用玄関、共用メールコーナー、 共用玄関 に属する階のエレベーターホールには、50ルクスの明るさが求められます。この 50ルクス とは、 10m先の人の顔、行動が明確に識別でき、誰であるかが明確に分かる程度の明るさです。

正しい。

選択肢3

その通りです。

ゴミ置場は、道路等からの見通しが確保された位置に配置すると、周囲からごみに放火する人を監視できます。

正しい。

選択肢4

その通りです。

 通路(道路に準ずるものを除く。以下同じ。)は、道路等、共用玄関又は居 室の窓等からの見通しが確保された位置に配置することで、周囲からの監視ができます。

また、道路等、共用玄関、屋外 駐車場等を結ぶ特定の通路に動線が集中するように配置すると、犯罪を企図する者の動きを限定して接近を制御することができます。

正しい。

以上のことから、選択肢1が正解になります。

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