令和3年マンション管理士試験問題と解説 〔問 10〕 

令和3年度(2021年11月実施)過去問解説

〔問 10〕 一団地内の附属施設たる建物を規約によって団地共用部分と定めることに 関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。

 1 一団地内の附属施設たる建物が専有部分であっても、団地建物所有者は、そ の附属施設たる建物について、規約によって団地共用部分とすることができ る。

 2 一団地内の附属施設たる建物が、団地建物所有者の全部ではなく、一部の共有に属するものである場合であっても、団地建物所有者は、規約によって団地 共用部分とすることができる。

3 一団地内の附属施設たる建物について団地共用部分とする規約を設定した場 合には、その旨の登記をしなければ、団地共用部分であることをもって第三者 に対抗することはできない。

4 一団地内の附属施設たる建物を団地共用部分とする規約の設定は、団地建物 所有者及びその議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議によってす る。

解説)

合格へのポイント

団地に関する規定は、最近、出題される頻度が高くなる傾向が見受けられます。区分所有法では終わりに近い、第65条から定めています。そこで、学習も後回しになり、手薄になりがちです。

また、団地について定めた条文は、他の条文を準用することが多く、それまでの区分所有法をしっかり理解してから、勉強すると混乱しないでしょう。

この問題は、共用部分にできるのか、管理できるのか、その違いが問われています。

選択肢1

区分所有法第67条第1項です。

「一団地内の附属施設たる建物(第一条に規定する建物の部分を含む。つまり専有部分のこと)は、前条において準用する第三十条第一項の規約により団地共用部分とすることができる。この場合においては、その旨の登記をしなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。」

ちなみに、区分所有法第1条は以下の通りです。

区分所有法第1条 

一棟の建物に構造上区分された数個の部分で独立して住居、店舗、事務所又は倉庫その他建物としての用途に供することができるものがあるときは、その各部分は、この法律の定めるところにより、それぞれ所有権の目的とすることができる。

正しい。

選択肢2

区分所有法第68条第1項1号で定めています。

第68条 抜粋

次の物につき第六十六条において準用する第三十条第一項の規約を定めるには、第一号に掲げる土地又は附属施設にあつては当該土地の全部又は附属施設の全部につきそれぞれ共有者の四分の三以上でその持分の四分の三以上を有するものの同意(一部省略)

第三十四条の規定による集会における区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による決議があることを要する。

 一団地内の土地又は附属施設(これらに関する権利を含む。)が当該団地内の一部の建物の所有者(専有部分のある建物にあつては、区分所有者)の共有に属する場合における当該土地又は附属施設(専有部分のある建物以外の建物の所有者のみの共有に属するものを除く。)

区分所有法第30条では、以下の通りで、管理と使用について定めています。

第30条 建物又はその敷地若しくは附属施設の管理又は使用に関する区分所有者相互間の事項は、この法律に定めるもののほか、規約で定めることができる。

定められるのは、団地建物所有者全員で、一部の団地建物所有者が共有に属する団地内の附属施設を管理できることです。団地共用部分とすることはできません。

正しくない。

選択肢3

選択肢1で示した、区分所有法第67条第1項で定めています

正しい。

選択肢4

区分所有法第68条第1項によって、(67条3項の読み替え規定参照)定めています。

正しい

以上のことから、選択肢2が正解になります。

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